メゾン・ルロワとドミニク・ローランとの関係について |
1989年の設立以来ヴェルジェと共にスーパー・ネゴシアンとしてブルゴーニュを席巻し、今や頂点を極めたドミニク・ローラン。
ドメーヌ・グラントネィは、そのドミニク・ローランに長年ワインを供給しています。 ローランのワイン買付け基準は大変に厳しく
手摘み収穫したヴィエイユ・ヴィーニュで、ブドウを潰さず房のまま発酵を行い、色と味わいを最大限に抽出した極めつけのワイン
しか購入しないと言われております。 つまり、ドメーヌ・グラントネィはこの厳格な基準を毎年クリアして15年以上も彼を魅了し
続けている蔵元なのです。
2009年からはドメーヌの高い品質に感銘を受けたメゾン・ルロワとも取引を開始し、ヴォルネイ・サントノ、ヴォルネイ・クロ・デ・
シェーヌ、ポマール・ソシーユの三種類のキュヴェが毎年マダム・ルロワによって買い付けられています。 2012年物と2013年物
に関しては、ドメーヌ自体の生産量が極端に少なかったため売却はしませんでしたが、2013年以降もルロワと継続して取引する
契約となっています。 しかも、ドメーヌ・グラントネィはマダム・ルロワとドミニク・ローランから絶大な信頼を受けているため、
ワインは直ぐには引き渡されずグラントネィのカーヴで6〜8ヶ月の熟成を経た後に(収穫翌年の春、マロラクティック発酵が終わ
ってから)引き渡されています。 |
醸造について |
手摘みで収穫したブドウを厳格に選別し、低温マセレーションを施します。 ACブルゴーニュと村名ワインは100%除梗し、
プルミエ・クリュはキュヴェに応じて20〜50%果梗を残して全房発酵を行います。 全房発酵を行う理由は、果梗がワインにアロマ
の複雑さを付与してくれ、アルコール発酵がより穏やかに行われるからです。 しかし、そのためには非常に健全で完熟したブドウ
を収穫することが必要です。 そうしないと、果梗が草のような風味と収斂性をワインにつけてしまう危険があるからです。
培養酵母は一切使用せず、野生酵母のみで発酵を行います。 補糖は行わず、発酵はキュヴェに応じて温度管理機能付きの
ステンレスタンクもしくはセメントのタンクで行います。 一日一回のルモンタージュと、キュヴェに応じて一日1〜2回のピジャージュ
を実施。 発酵期間は5〜7日。 トータルの醸し期間12〜17日。 ACブルゴーニュを含め全てのキュヴェをバリックで熟成させます。
村名とプルミエ・クリュはキュヴェに応じて1/4〜1/3の新樽を使用。 熟成期間は17〜18ヶ月。 熟成はシュール・リー状態で
行い、澱引きはアッサンブラージュ前に1回のみ行います。 清澄は行わず、ごく軽く濾過をして手作業でビン詰めします。
樽材はアリエ産とヴォージュ産を併用。 樽会社はドミニク・ローランの樽を手掛けるDAMY社、そしてCADUS社の2社のものを
併用しています。 2006年ヴィンテージからは「マジック・カスク」と呼ばれるドミニク・ローランから譲り受けたバリックを一部の
キュヴェの熟成に使用しています。 樽の焼きはミディアムで、一部ミディアム+のものを併用しています。
ドメーヌで元詰めされるワインは年間15,000〜20,000本。 収穫の全量が元詰めされるクリマは、ヴォルネイ・カイユレ、
ポマール・リュジアンのみ。 それ以外のクリマは、キュヴェに応じて生産量の6割からバリック1樽程度の量がメゾン・ルロワと
ドミニク・ローランに売却されています。
ps.2012年物に関しては、ブドウが雹によって強い衝撃を受けたため、果梗の熟成に確実性がなく、リスクを冒すことはできな
かったためプルミエ・クリュのワインも、100%除梗して醸造が行われました。 |
畑と栽培について |
ドメーヌは現在、ヴォルネイ、ポマール、ピュリニー・モンラッシェの3つの村に17区画、合計8ヘクタールの畑を所有しています。
殆どの区画が樹齢25年以上のヴィエイユ・ヴィーニュで、コント・ラフォン、ジャン=マルク・ボワイヨ、プス・ドール、リュシアン・ボワイヨ
といった超一流ドメーヌの隣に最高の区画です。 ドメーヌ全体の畑の平均樹齢は40年、ポマールのプルミエ・クリュの区画に
至っては70年に達します。 ドメーヌではリュット・レゾネを実践していますが、ティエリーがドメーヌに参画してからは、土壌を生かす
ために除草剤の使用は完全に止め、全ての区画で耕転も行っています。 植樹比率は1ha当り1万本。 剪定方法はギュイヨ式で
収穫時の収量を低く抑える目的とブドウをベト病といったカビ害から守るために非常に厳格な摘芽を行っています。 |